きのう何食べた? という漫画。ご存知の方も多いと思います。昨年ドラマ化され、今年映画化も決定されて嬉しい限りです。
今回はこの「きのう何食べた?」という作品についての愛を叫ぶ記事です。系統としてはこの記事と一緒。
シロさんとケンジの2人のカップルを中心にした人物劇。特に大きな事件等も起きないのですが(もちろん登場人物の視点では起きている)、なぜだかめちゃくちゃ面白いんです。
私がこの漫画を知ったのは大学入学時。親戚から入学祝いに「レシピ集」として全巻をプレゼントされたのが始まりでした。(今思えばこの本を「レシピ本」としてプレゼントするってすごいな……)しかし作中のレシピを使用したのは数えられるほど。専ら漫画を面白く読ませてもらっています。
現在刊行されているのは16巻。その間作品の中では10年以上時が進んでいます。その間に、尖っていてゲイであることを隠したがっていたシロさんはなんだか丸くなり、ケンジは髪が薄くなって美容師としての新たなステージを歩き始め。
この作品では、いっそ残酷なほど現実と同じように時が進みます。それが本当に愛おしくて、切なくて。私自身まだ20年そこらしか生きていないからでしょうか。時と共に生じる、登場人物たちの変化が本当に新鮮で、でもどこか懐かしくて、愛おしい。
生きていて疲れていても、辛いことがあっても、パートナーと喧嘩してしまっても、逆に嬉しいことがあっても、必ず1日の流れは夕食に帰結する。そしてその夕食の風景は何年経とうと変わらない。
日常生活に潜む変化と不変。それぞれの貴重さを理解することが出来る作品だと思います。本当に何回でも読み返せる。
ドラマもとても面白かったです。俳優さんたちが本当に漫画のままで! OPも最高ですよね。もはやOP曲を聞くだけで泣きそうになる。
あと最後になりますが、私があまり自炊しないというだけで、レシピもかなり美味しくて作りやすいものが多いのでぜひ! 野菜がちょっと足りないかな? という時に役立つ副菜のレシピが盛りだくさんです。メイン料理で個人的におすすめなのは、佳代子さんのローストビーフと手羽元のニンニク酢醤油煮。楽で美味しくてたまに作っています。
年に約1冊だけ刊行されるこの作品。ゆっくり読み返しながら、続きを楽しみに待っていたいと思います。